ただの学生が微表情分析のスペシャリストを目指す-志水勇之進-

人種、性別問わず0.25秒以下で起こる表情の微妙な変化や会話の最中に見られるしぐさ。それらは意識的にコントロールできないため、非常に重要なサインであるのに見落とされがち。そんなことに興味を持ち独学で非言語コミュニケーションを学ぶことを決めた、ただの学生のブログです。

感情・表情表出の文化的違い “display rules”とは?

前回、感情を表す表情の普遍性/万国共通性について実際に行われた実験の様子をご紹介しながら説明させていただきました。

 

前回の記事をご覧になっていない方は、是非、先に前回の記事をご覧ください↓

www.lietome.me

 

さて、 マスメディアにも触れず、外界との接触がほとんどない、

ニューギニアのとある部族の人々を調査し、感情を表すいくつかの表情の普遍性を見つけたエクマン氏でしたが、

 

実は、こうした表情がどんな時に表されるのかは文化によって全く違うことが別の研究によって明らかになりました。

 

感情表出の文化的違い/ display rule

 

その違いを見つけるため、ある実験が行われました。

 

研究者たちは、日本、アメリカ両国の

学生を集め、彼らにストレスを生じさせるような内容の映画を見せました。

 

その後、実験者達は、2つのシチュエーションを作り、学生をいずれかに振り分けます。

  1. ただ1人でその映画を見る。
  2. 同じ文化を持つ研究助手と一緒にその映画を見る。

 

結果はというと、

①のシチュエーションでは、日米両学生は、映画の上映中や、その映画について語っている際に基本的に同じ表情(嫌悪や恐怖など)を表しました。

 

しかし、②のような、

自分以外に他者がいるシチュエーションでは、日本人とアメリカ人の顔の表情が一致しなかったのです。

 

一体どういうことか。

 

他者がいる場合、

アメリカ人に比べ、日本人は ストレスを生じさせるような映画を見ても、

不愉快な気持ちや表情が現れないように

別の表情筋を使って真の表情を

覆い隠していたのです。

 

ちなみに、日本人は嫌悪の表情を笑顔の表情を作ることにより隠していました。

 

ちなみにこのことは

“Display rule”/顔の表情の統御に関する文化的法則と呼ばれ、

ある状況において表される顔の表情は、文化的に違うというコンセプトで、

 

自分以外に他の人が存在する場合に

さらにその効果が強まる傾向があります。

 

例えば、あなたに、なにか悲しい出来事が起こったと想像してみてください。

 

もしあなたが1人でいるならば、

悲しみの表情が現れるでしょう。

また、泣いたり、声を出したりと、さらに感情的になる方もいるかもしれません。

 

しかし、その場にあなた以外に人がいると想像してみてください。

 

多くの人は、感情的にならず、

作り笑いをしてみたりと、自分1人の場合と違った表情を作ろうとすると思います。

 

f:id:Lietome:20200512142632p:plain

感情を表す表情がいつ表出されるのか、またその程度は文化によって異なります。

この感情を表す表情のコントロールは、

人によっても、文化によっても

異なるのです。

なぜ文化によって異なるのか?

では、なぜこれが文化によって違うのでしょうか?

ある文化では感情を感じたままに表すことは普通、または良いこととされ、

ある文化では そうではないのかもしれません。

 

また、その人の性格や、生まれ育った環境、経験した出来事、などなど

それに影響するであろう要因は数多くあると考えます。

 前回同様、参照したエクマン氏の本の和訳版です。

是非読んでみてください↓

 

ただ、個人的にとても面白いトピックだと感じたので、ご紹介させて頂きました。

 

ありがとうございました🐈

 

 参照

 Ekman Paul, Wallace Friesen. (1987) Unmasking the face, 1st edition

 

 


人気ブログランキング

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
にほんブログ村