ただの学生が微表情分析のスペシャリストを目指す

人種、性別問わず0.25秒以下で起こる表情の微妙な変化や会話の最中に見られるしぐさ。それらは意識的にコントロールできないため、非常に重要なサインであるのに見落とされがち。そんなことに興味を持ち独学で非言語コミュニケーションを学ぶことを決めた、ただの学生のブログです。

「全然勉強してないわー」の言葉に隠された心理 セルフハンディキャッピングとは?

突然ですが、皆さんの中や周りに、


何かやらなくてはいけない事があるのにも関わらず、
他のことに手を出してしまう人はいませんか?


例えば、

  • 大事な試験の前日に飲みに行く。
  • テスト前になると漫画を読む。


など。


大学などでは、よくテスト日になると


「昨日寝てないわー」
「全然勉強してない」


などと聞いてもいないのに、周りに言いふらす生徒をよく目撃します。


この現象はかなり見受けられるので皆さんの中にも心当たりある方がいらっしゃるのではないでしょうか?


やらなくてはいけない事ではなく
他のことをしてしまう。


実はこれをしてしまう理由は、

 

「つい」ではなく「わざと」


であることをご存知ですか?


無意識に人は、未来の失敗のために、
あえて「保険を」かけていると

言われているのです。


今回はこの「保険」をかける心理についてお話しさせて頂きたいと思います。


Self-handicapping/セルフ•ハンディキャッピングとは?


何か失敗したことについて
言い訳をすることは、
自分の自尊心を保つための防衛手段の一つとして知られています。


実は、言い訳のさらに上をいく手段があることはご存知ですか?


それが、 “Self-handicapping/セルフ•ハンディキャッピング”です。

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「保険をかける」ことでも知られるセルフ・ハンディキャッピング。 



セルフ•ハンディキャッピングとは、
社会心理学の用語の一つで、


未来の失敗を和らげるために、
自分のパフォーマンスを虐げるような行動をわざと起こすことを指します。


例えば、

翌日に大事なテストがあるとします。

普通ならいい点を取るために勉強をしますが、100%満足のいく点を取れるという保証はありません。


高い点数を取れれば良いですが、

 

一生懸命勉強したのにも関わらず、

点が低かったらさらに傷つくことになるかもしれませんよね。


そこで、

もし前日にあまり勉強しなかったり、別のことをやっていたらどうでしょうか。


テストで点が取れなくても、


「漫画を読んでて勉強してなかった」

 

などと言い訳をすることができます。


未来の失敗に繋がるような、

何か別の事、行動をすることで、

 

たとえ失敗しても恥を感じにくくなったり、自分が傷つくのを防ぐ。

 

そうして人は無意識に自尊心を保っていると言われています。

 

 


また、学業のみに留まらず、
色々な場面でセルフ•ハンディキャッピングは見られますよね。


例えば、恋愛における


「出会いがないから恋人ができない」


という発言などもセルフ•ハンディキャッピングのひとつです。


セルフ•ハンディキャッピングをする人の心理


この行動を行う人の心理には、
2つ特徴があります。 

 

  1. 「失敗」は外的要因に起因
  2. 「成功」は内的要因に起因

 


セルフ•ハンディキャッピング
を行いがちな人の心理として、


もしテストなどで失敗した場合、
それを外的要因、つまり環境のせいや周りの人のせいと考える一方で、


いざそれが成功した場合は、
内的要因、つまり自分の能力が高かったからという風に捉える事が特徴です。


セルフ•ハンディキャッピングにおける個人差


このセルフ•ハンディキャッピングを行う行動の種類や頻度は人それぞれです。


また、面白いことに、
自尊心/Self-esteemが高い人と、低い人の間には、この「保険」をかける理由に大きな違いがあることもわかっています。


*自尊心/Self-esteemとは、
自己肯定感のことを指します。


簡単に言うと、
自分の存在に価値を感じたり、自分自身や、行動などに自信を持つことです。


この自尊心の程度が高いか低いかによって様々な認知の仕方や心理状態に影響があらたら知られているため、自尊心/Self-esteemは心理学においてもかなり注目されている概念の一つなのです。

 

  • 自尊心が低い人は、

 

未来の失敗によるネガティブな影響を和らげるため


にセルフ•ハンディキャッピングを行うようです。


彼らは、失敗することが前提になっている傾向があり、少しでも傷つかないようにという意識が強いようです。

 

  • 一方、自尊心が高い人は、


万が一、成功した時のための
ボーナスポイントとしてセルフ•ハンディキャッピングするのです。


自尊心が高いため、自分の存在や能力に自信を持っており、自分が成功することを信じやすい傾向があります。


従って、例えばテストの前やプレゼンの前に、あえて飲みに出掛けたら、遊んだりすることで、

 

もしそれらが成功した場合、

 

「前日に飲みにいってたのに成功した」

 

というふうに、周りや自分から更なる評価を得ようとするのです。


また、男女によってもセルフ•ハンディキャッピングの手段が異なることがあります。


ある発見によると、アメリカでは、


男性が、

 

ドラッグを利用したり、練習や勉強をしないという手法を取る一方、


女性は、

 

ストレスや身体の症状を訴えるといった手法を取る傾向がありました。


一概に全ての人に当てはめることはできませんが、面白い発見だと感じます。


どうでしたか?


これらが「保険」をかける人、つまりセルフ•ハンディキャッピングをする人の心理であり、理由とされています。


もちろん、テスト前などに漫画を読んだりするのには、


「集中力がないから」
「やる気がでないから」


という理由もあるでしょう。


しかし、人は無意識に未来の失敗を予想し、かつ自尊心を保つ防衛手段としてこの行動を取っているということを、

個人的に興味深いと感じましたので、今回ご紹介しました。


ありがとうございました🐈

 

参照

Kassin, S., Fein, S., & Markus, H. R. (2017). Social psychology, (10th ed.). Boston, MA: Cengage Learning.

 


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