ただの学生が微表情分析のスペシャリストを目指す-志水勇之進-

人種、性別問わず0.25秒以下で起こる表情の微妙な変化や会話の最中に見られるしぐさ。それらは意識的にコントロールできないため、非常に重要なサインであるのに見落とされがち。そんなことに興味を持ち独学で非言語コミュニケーションを学ぶことを決めた、ただの学生のブログです。

嘘をつくことがもたらす利益と、正直者が辛酸を嘗める世の中

前回、嘘をつく、また「模範的嘘つき」という言葉を紹介しながらお話をさせていただきました。
*ご覧になっていない方は是非ご覧くださいね↓

www.lietome.me

 


さて、前回も述べたように
我々は幼いころから、
「嘘つきは泥棒の始まり」という表現や、
色々な道徳的なお話しを通して
正直者であることを求められます。


「正直者は得をする」
なんて言いますが、

 

実は、

そんなことはないのかもしれません。


嘘をつくことが子どもの発達を促す?


子どもは、「心の理論」が発達するまでは自分の視点からしか物事が見えないとされています。

 

このことを、発達心理学では、

「自己中心性/egocentrism」

と呼びます。

 


心の理論とは、他人が自分と異なる観点を持っていることを理解する機能で、
幼児期以後に芽生えるとされています。


それが見られるのが、子どもが

「ごっこ遊び」をする頃。

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ごっこ遊びをするということは、子どもは何かの「フリ」をすることができるということなので、

それが初歩的な「騙し」の重要な要素の一つになるとも言われています。


何かの「フリ」をしたり、嘘をつくためには、他人の視点や観点から物事を考える必要があります。


つまり、嘘をつくということは、子どもの認知発達において重要なのです。


大抵の場合、嘘をつくと子どもは、

親などから非難されますよね。


しかし、前回も述べたように、

嘘をつくことはいけないことだが、

嘘をつくことで得られる利益もあるということも徐々に学んでいくのです。


正直者が損をすることもある


ある種の発達障害を抱えている子どもにとっては、

「嘘をつくことができないこと」

がその障害の症状の一つとみなされることもあります。


バークレーにて開催されたFACSセミナーで出会った友人は、

発達障害を抱える子ども達に対して、

コミュニケーションを通して人の感情を理解したり、自分の気持ちを伝えることを教えていますが、彼は、


「発達障害を抱える子ども達はとても正直すぎるが故に

コミュニケーションが上手くいかないことがある」


と述べていました。


自閉症を例として挙げるのならば、
言語発達の遅れがあったり、

他人の感情を認識して正しい対応をすることに難しさを抱えているため、


他の人からすると

「空気を読めない子」

と捉えられてしまうのかもしれません。


また、その友人は、


「自閉症の子を持つ親とも話す機会が多いのだけれど、自閉症の子を持つ親のほとんどは、『うちの子は全然嘘がつけないんです。』と訴えてくるんだ」

 

とも言っていました。


完全なる正直者というのは、

我々が受けてきた「教え」によると、

とても素晴らしいことだそうです。


しかし、自閉症の子どもにとってはそれが対人関係を難しくしている要素となっているような気がします。


一般的に、自閉症の子は、
他人には他人の考えや感情があるということを理解する「心の理論」が欠けていると考えられています。


先ほども述べたように、
嘘をつくためには、自分の視点プラス、
相手の視点の二つの異なる見方が同時に存在することを理解する必要があります。


それができないとなると、

その場を察したり、所謂

「空気を読む」

ということがとても難しくなります。


戴いたクッキーがまずいと自分が感じていたならば、きっとそれを食べている隣の友人もまずいと思っているに違いないと考え、


作った人の前で正直に

「このクッキーまずいよね」

と隣の友達と意見を共有すると、怒られてしまう。

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嘘はいけないと言われる世の中で、
正直に発言すると非難され、

不正直に嘘をつきながら人と接する人ほど、相手との関係がうまくいく。


本当に皮肉な状況だと思います。


ありがとうございました🐈


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